庭冶ふじの-niwayafujino-
[〖冶〗(や)]と云う言葉の意味の1つに女性の美しい様子、「艶冶(えんや)」と云う意味がある使い方があります。
その『冶』を庭の美しい様子という意味と、
[冶金(やきん)]鉱石などから
金属を抽出する技術は[採鉱冶金]と
呼ばれ、合金の製造や物理的加工を
行うことで金属の性質を変えて実用に
用いやすくすることを
[製造冶金]と云う意味より。
庭を冶いる(作り上げる)と
美しい様子の2つの意味を込めて
造語で、屋号を
『庭冶ふじの』としました。
どうぞ、宜しくお願致します。
残してくれた物を大切に、
そして、進化して更なる発展を
目指して。
『伝統とは、灰を崇拝する事ではなく
炎を絶やさない事である』
グスタフ・マーラーの言葉です。
植貞、先代が残してくれた物、
それは何かと考えてみました。
透かし(剪定)で言いますと
透かしの基本、
忌み枝、戻り枝を作らない、
徒長枝は外すなど、その基本の技を使って
バランスよく透かし、言葉では説明しきれない綺麗さにあると思います。
庭づくりもそうです。基本の技を使って
庭の綺麗な姿をつくること。と、言葉で説明しきれない綺麗なもの、技を残してくれた祖父に感謝して、これからも
炎を絶やさず頑張ろうと思います。
[グスタフ・マーラー=オーストリア、作曲家、指揮者]
京都 岡崎、南禅寺永観堂のすぐそばに生まれ育った祖父
(
服部貞二、1980年没、享年76歳)は
茨木徳治郎氏の元、植善で修行し一番番頭まで登り詰め、一年間という異例な長さのお礼奉公の後、下鴨の地にて独立開業したのが始まりです。
その祖父の兄も植治の一番番頭で『
たけさん』の愛称で
有名でした。
一方、『藤野家』は日枝村(現在:豊郷町)の元武家であり本能寺の変の織田信長氏亡き後すぐに美濃紙の卸しの近江商人となった
『
藤野太郎右衛門』の末裔で、太郎右衛門は信長氏の兵火により焼失した『江州音頭』で有名な『千樹寺』を『お助け普請』にて再建するほどの豊郷の豪商でした。
その他には『又十屋敷』の喜兵衛氏も同祖です。喜兵衛さんも自身の屋敷(現:豊会館)をお助け普請にて建てられました。
そのような家系の私は造園屋として
自然の循環を大切にした
「売り手よし」
「買い手よし」
「世間よし」を心に
庭の綺麗な姿、木の綺麗な姿を知り尽くした祖父の力を受け継ぎ
綺麗な日本を後世に残していきたいと思います。
作業の仕方は誰でも教えられます、
本当の綺麗さは見て学ぶ。美しいものを知らずに美しさは表現しきれないと私は思います。感性を磨く事も怠らずに続けております。
考え方や色々なことが重なり合って綺麗なものが出来る。
私、日本古来の神道で生きとし生けるもののみならず、この世に存在する全てのものを神とし慈しむ精神が好きです。宇宙規模で考える。
自然界は無目的に只々循環を続けてます。
私たち人も頭で考える事以外は無目的に動き続けます。
心臓などの臓器は只々動いてますが、
(例えばですが心臓は血液を送らなくてはと考えて動いてはないですよね。)脳だけは過去、未来と様々なことを考え近代では唯一不自然なものになってしまっていると思っております。色々考えられるだけに。
そんな我々、人のする事のどこまでを自然とするのか深く考えて生きていこうと思います。
全ての人が地球にとって大切な存在となりますように。
藤野 あつし